デッドニングというものをご存知ですか?
簡潔に説明すると、「より良い音」を出すためのチューニングです。
音と言ってもここでいう音とは排気音の事ではなく、社内の音楽の事です。
この記事では、そんなデッドニングの事について詳しく見ていきたいと思います。
デッドニングとは
皆さまのお車には、「カーオーディオ(カーステレオ)」が装着されているかと思います。
オーディオ単体のものや、カーナビと一体型になっているものなど種類は様々ですが、CDやSDカード等の記憶媒体、USB端子からの入力を受けて音楽を再生するための装置です。
しかし、カーオーディオだけでは音楽を再生することはできません。
オーディオ装着車には必ずスピーカーも取り付けられています。
「デッドニング」は主にこのスピーカーに関するチューニングなのです。
デッドニングの役割
それでは、具体的にデッドニングについて触れていきましょう。
デッドニングの役割の一つに、「防振」があります。
通常、スピーカーはドアの鉄板部分に直接ネジ止めしてあります。
音が出るスピーカーは当然「振動」しているのですが、スピーカーの振動とドアの鉄板の振動が共鳴することで、不快なビビリ音やノイズが生じる原因となります。
スピーカーの振動はどうすることもできませんが、ドアの振動はデッドニングによりある程度抑えることができます。
そして、もう一つの役割が「気密性の向上」です。
車の内装をはがしたことのある方ならご存知かと思いますが、実は車体のボディ内部や、ドア等のパーツ類のいたるところに組み立てや整備の利便性を確保するための「サービスホール」と呼ばれる大小さまざまな穴が開いています。
せっかく良い音をスピーカーから出しても、その音が、サービスホール(穴)から抜けてしまうと、十分な音響効果が得られません。
しかしデッドニングによりこの穴を塞ぎ気密性を確保することで、臨場感あふれる車内音楽を楽しむことができるようになります。
そして、気密性が向上するということは、車「外」の音、つまりロードノイズなどの騒音も低減してくれるので、まさに一石二鳥ですね。
デッドニングをしよう!
完璧を求めるなら専門業者に依頼するのが壱番ですが、セルフですることもできます。
ということで今回は、カー用品店に売っている市販のデッドニングキットを使用していきます!
ドア内張取り外しのための内装はがし、脱脂用のパーツクリーナー、スピーカー取り外しのためのプラスドライバーとマイナスドライバーも用意しておきましょう!
ステップ1 ドアの内張をはがす
まずは、ドアの内張をはがしていきます。
むき出しになったドアパネルにはこのような薄っぺらなシートが貼ってあると思います。
これでは気密性も防振も不十分なので、後に専用の防振シートにおきかえていきます。
ステップ2 配線の取り外し
次にスピーカーとその周りの配線を取り外していきます。
車種によっては、ドア周りの配線やカプラーがドアのアウターパネルに当たっているのが、スピーカーを取り外した穴から見えると思います。
これも不快な音の原因となるので、キットに付属しているスポンジシートを巻き付けていきます。
ステップ3 脱脂
取り外しが終わったら、パーツクリーナーを使ってドアパネル全体の脱脂を行います。
ここをサボるとせっかくのデッドニング材が数日ではがれてしまうので注意ですよ!
ステップ4 アウターパネル
ここからやっとデッドニング作業に入ります。
まずはアウターパネルです。
キットに入っているアウターパネル用の制振シートを取り出します。
これを、車体外側のドアパネルに等間隔に貼り付けていきます。
キットに付属しているヘラを使ってしっかりと圧着していきます。
このシートがドア板の振動を抑え、共鳴を防止してくれるのです。
ステップ5 スポンジシート
次に、スポンジシートをスピーカー取り付け部周辺、およびスピーカーの外周に貼り付けていきます。
こうすることで、スピーカーの防振と、不要なノイズの吸音が同時に行えるわけです。
後はスピーカーを元通り取り付けて外側は完了です。
ステップ6 インナーパネル
次にインナーパネルです。
サービスホールより少し大きめに付属のインナーパネル用シートを切り出します。
これをインナーパネルに張り込んでいくのですが、この時に、サービスホールからのびるワイヤー等を通すための切り込みを適宜入れておきましょう。
こちらもヘラを使ってしっかりと圧着させていきます。
全てのサービスホールをシートで埋めたら内側も完了です。
ドア内張を元に戻して、完成☆
デッドニングの効果
さて、効果が気になりますよね?
シャリシャリ音が抑えられて心地の良い音になりました!
高音部がかなりマイルドになりました。
曇っていた低音も少しクリアになり、迫力が増しました。
ちょうど、「イヤホンからヘッドホンに変えた時」の感覚に近いのですね。
しかし一方で、ロードノイズの低減については、もともと静音性が高かったこともあり効果を実感することはできませんでした…。
車種によってはロードノイズの低減も実感できるでしょう!
「音質なんて、結局はスピーカーの性能でしょ」
と思われてしまうかもしれません。
しかし、デッドニングを施すことで、純正スピーカーでもより良い音で音楽を楽しむことができます。
また、大音量で音楽を聴かれる方の場合は、スピーカーの振動も大きくなり、共振の影響が顕著になり、一層効果を体感できると考えられるので、是非お勧めしたいです♪
もちろん、オーディオ非装着の車、低年式のボディー剛性が低い車にお乗りの方にもおすすめです。
今回はアウターパネルだけでしたが、インナーパネルにも施工することでより大きな効果を得られると思うのでぜひ試してみてください☆